特別管理産業廃棄物としての廃油・廃液の取り扱い徹底解説

産業活動で発生する「廃油」や「廃液」は、その性状によっては特別管理産業廃棄物に分類されることがあります。

これらは通常の産業廃棄物よりも危険性や有害性が高く、取り扱いを誤ると人や環境に深刻な影響を与えるおそれがあります。

本記事では、特別管理産業廃棄物としての廃油・廃液の定義や処理方法、事業者が守るべき法的義務について解説します。

特別管理産業廃棄物とは？廃油・廃液の該当例

「特別管理産業廃棄物」とは、

産業廃棄物の中でも毒性・感染性・引火性などの危険性を有するものを指します。

廃棄物処理法では、通常の産業廃棄物とは区別して厳格に管理することが定められています。

廃油や廃液の中では、次のようなものが特別管理産業廃棄物に該当します。

・ベンゼンやトルエンなどの有機溶剤を含む廃油

・PCB（ポリ塩化ビフェニル）を含む絶縁油

・強酸・強アルカリ性の腐食性廃液

・毒劇物（シアン化合物、六価クロムなど）を含む化学廃液

これらは、わずかな漏洩でも周辺環境を汚染する恐れがあるため、保管・運搬・処理のすべてにおいて特別な管理が必要です。

特別管理産業廃棄物を扱う場合、排出事業者は、通常の産業廃棄物よりも厳格な責任を負います。

これを怠ると、行政処分だけでなく、刑事罰の対象となる可能性があります。

特別管理産業廃棄物を多量に排出する事業場には、その処理に関する知識と技能を持つ特別管理産業廃棄物管理責任者を設置し、適正な処理を監督させることが義務付けられています。

特管廃油・廃液は、漏洩、飛散、地下浸透、悪臭の発生がないよう、さらに厳重な保管が必要です。

【密閉容器の使用】

内容物に応じて耐食性のある密閉できる容器を使用する。

【明確な掲示】

「特別管理産業廃棄物の保管場所」であること、保管する種類、管理者の氏名・連絡先を明記する。

【隔離保管】

他の廃棄物や一般廃棄物と明確に区分して保管する。

特に引火性や揮発性のあるものは、消防法なども考慮した安全な場所に保管します。

特別管理産業廃棄物としての廃油・廃液は、扱いを誤ると重大な事故や法的トラブルにつながります。

排出事業者は、法令に基づく厳格な管理体制を整え、信頼できる処理業者と連携することが不可欠です。

「特別管理」という言葉の通り、通常より一段階上の安全意識と責任を持つことが、企業の社会的信用と環境保全を守る第一歩となります。

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