廃油は「処分するもの」と思っていませんか？
事業活動によって発生する廃油は、通常「産業廃棄物」として処理され、排出事業者が費用を負担して廃棄するのが一般的です。
しかし、状態や種類によっては「売れる廃油」も存在することをご存じでしょうか？
今回の記事では、「廃油は本当に売れるのか？」「どのような条件で買取してもらえるのか？」「信頼できる業者はどう見つけるのか？」
といった疑問に答えながら、コスト削減や再資源化を実現するためのポイントを解説します。
廃油は売れる？買取が成立する条件とは
結論から言うと、廃油は状態や種類によっては「有価物」として取引されることがあります。
特に、エンジンオイルや潤滑油、作動油などの鉱物性油は、品質が良く異物の混入が少なければ、再生処理によって「再生重油」や「再生潤滑油」として再利用が可能です。
業者が買取を検討する際の主な条件は以下の通りです。
・ 油の種類がリサイクル向きである（鉱物性油が中心）
・ 水分やスラッジなどがほとんど含まれていない
・ 他の廃油と混合されていない
・ 十分な量がまとまっている（経済合理性がある）
これらの条件を満たすことで、廃油は「産業廃棄物」ではなく「有価物」として扱われ、買取が成立する可能性が高まります。
廃油を産業廃棄物として処理すべき場合とは？
すべての廃油が買取可能というわけではありません。
以下のようなケースでは、産業廃棄物として適切な処理が求められます。
・ 灯油・軽油など引火点が低く、危険性の高いもの（＝特別管理産業廃棄物）
・ 汚れがひどく再生に不向きな廃油
・ 塩素系金属加工油や水系潤滑油など、再生処理が困難な種類
・ 微量の廃油で、買取コストが見合わない場合
このような廃油は、有価物としては扱えず、あくまで「処理が必要な産業廃棄物」となります。
処分費用が発生するため、リサイクルできる廃油との選別が重要です。
廃油を買い取ってくれる業者は存在する？
実際に廃油を買い取ってくれるリサイクル業者は存在します。
これらの業者は、再資源化のノウハウや設備を持ち、回収した廃油を再生重油や潤滑油、バイオディーゼル燃料などに加工・販売しています。
たとえば、以下のような廃油は買取対象になりやすいです。
・ エンジンオイル、タービン油、作動油などの鉱物性油
・ 工場や整備工場などで排出される比較的きれいな廃油
・ 使用済み潤滑油で、再生後に自社内で再利用可能なもの
ただし、買取の可否や価格は業者によって異なりますので、事前に見積もりをとることが重要です。
廃油を高く売るためのポイント3選
買取可能な廃油であっても、そのままでは価格がつかない場合もあります。
以下のポイントを意識することで、より良い条件での売却につながります。
ポイント1：油種・品質を正確に分別する
異なる種類の廃油を混合してしまうと、処理が複雑になり買取不可となる可能性があります。
エンジンオイルや廃溶剤などは、種類ごとに分別して保管するようにしましょう。
ポイント2：異物や水分の混入を防ぐ
保管状態が悪く、雨水やゴミなどが混入してしまうと、リサイクルの価値が大きく下がります。
屋内保管や密閉容器の使用など、品質維持に配慮しましょう。
ポイント3：継続的な排出量を提示する
業者にとっては、スポット的な回収よりも、定期的かつ安定した排出量が見込める取引の方が価値が高くなります。
継続的な回収契約を前提にすれば、単価交渉がしやすくなり、高値での買取につながる可能性があります。
廃油を「買取」で処理する際の注意点と法的ルール
廃油が有価物として取引される場合でも、一定の条件下では「廃棄物」とみなされ、廃掃法（廃棄物処理法）の適用を受ける可能性があります。
特に注意したいのが「逆有償取引」です。
これは、廃油の買取金額よりも運搬費が高くなる場合に起こるもので、この場合、運搬中の廃油は「廃棄物」と判断されます。
廃油自体は買取で、運搬中だけ廃棄物として扱われる場合は、以下の点に十分に注意しましょう。
・ 産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可を持つ業者との契約
・ マニフェスト（電子・紙）による管理
・ 処分後の証明書の保管（法定3年間）
業者に任せるだけでなく、排出事業者自身も法律に基づいた処理責任があることを認識しましょう。
買取対応のある廃油業者を探す方法
では、実際に買取してくれる業者はどうやって探せばよいのでしょうか？
一般的には、産廃情報ネットや自治体の環境部門の業者リストが活用されています。
業者の選定時には「許可証の有無」「過去の実績」「処理フローの開示」「逆有償かどうかの説明」などを丁寧に確認しましょう。
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