私たちの日常生活や産業活動から排出される「廃液」は、産業廃棄物の中でも「環境や人体に悪影響を及ぼす可能性のある危険物」です。

製造工場だけでなく色々な業種から排出される廃液は、適切な管理と処理が社会全体の重要な課題となっています。

今回の記事では、廃液の基本定義から種類、関連法規、実際の処理方法、そして排出事業者が注意すべき点までをわかりやすく解説します。

産業廃棄物の「廃液」とは?産業廃棄物として定義

産業廃棄物の「廃液」は、事業活動から排出される「不要な液体」全般を指します。

日本では廃棄物処理法により、その多くが「産業廃棄物」として定義されています。

これは、廃液が廃酸や廃アルカリ、有害物質を含む可能性があり、環境や人体に悪影響を及ぼすためです。

排出事業者は、許可を持つ専門業者に処理を委託するなど、法に基づいた適正な処理責任を負います。

不適切な処理は罰則の対象となるため、厳格な管理が不可欠です。

廃液は「廃酸」「廃アルカリ」の2種類に分かれる

廃液は性質によって分類され、それぞれ異なる危険性を持ちます。

安全な取り扱いと適切な処理のためには、その特性を理解することが不可欠です。

種類1:廃酸

pH値が7より低い酸性の廃液です。塩酸や硫酸などが代表的で、高い腐食性を持ち、皮膚に触れると化学熱傷を引き起こします。

他の物質と混ざると有毒ガスを発生させる危険性もあります。

種類2:廃アルカリ

pH値が7より高いアルカリ性の廃液です。

廃ソーダ液やアンモニア水などが代表的で、廃酸と同様に強い腐食性があり、皮膚や目に触れると深刻な損傷を与える可能性があります。

混合による発熱や有毒ガス発生のリスクも伴います。

その他の注意すべき成分

重金属(水銀、カドミウム、鉛、亜鉛など)や有機溶剤(ベンゼンなど)は、微量でも人体や生物に深刻な影響を与える有害物質です。

廃液に含まれるこれらの成分濃度を正確に把握することは、環境保護と公衆衛生を守る上で非常に重要です。

その他、廃液の汚染度を示す指標として、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質量)、n-ヘキサン抽出物質(油分など)があり、これらはそれぞれ異なる水質汚濁の原因となります。

廃液処理の法的義務|廃棄物処理法・水質汚濁防止法・下水道法

廃液の不適切な処理は深刻な環境汚染につながるため、日本では複数の法律で厳しく規制されています。

ここでは廃液処理に関わる代表的な3つの法律とその法律により定められている義務をご紹介します。

法令1:廃棄物処理法

事業活動から出る廃液の多くは、廃棄物処理法によって「産業廃棄物」と定められています。

廃液を排出した事業者は、最終処分まで自らの責任を負うため、自社で適正に処理するか、または都道府県知事の許可を得た専門業者に委託する義務があります。

これに違反した場合、行政処分(事業停止命令など)や罰則(懲役や罰金)が科される可能性があります。

法令2:水質汚濁防止法

水質汚濁防止法は、事業場から公共用水域(河川、湖沼、海など)へ直接排水を排出する際の規制を定めています。この法律の目的は、有害物質の排出や地下水汚染を防ぎ、水環境を守ることです。

排出される廃液のpH、BOD、COD、有害物質濃度などには厳しい排出基準が設けられており、これに違反した場合は法的責任が問われます。

法令3:下水道法

事業場から廃液を下水道へ排出する場合に適用されるのが下水道法です。

この法律は、下水道施設の健全な運用と、公共用水域の水質保全を目的としています。

下水道へ流せる廃液の性状(pH、温度、有害物質濃度など)には、下水道管や下水処理施設の機能を損なわないよう、独自の基準が設けられています。

【要注意】排出経路による法律の使い分けが重要

このように、廃液の排出経路によって適用される法律が異なります。

直接、河川や海へ排出する場合は水質汚濁防止法、下水道を経由する場合は下水道法、そして廃液全体が産業廃棄物としての定義から外れることはありません。

事業者は、自社の廃液がどの経路で排出され、どの法令が適用されるのかを正確に把握し、適切な義務を遵守する必要があります。

廃液を適正処理するための4ステップ

有害な廃液が安全な水として環境に放流されるまでには、複数の専門的な処理工程を経ます。

ステップ1:前処理ー油水分離

廃液中の油分を水から分離します。

油分は後続の処理を阻害するため、初期段階での除去が不可欠です。

分離された油は別途処理またはリサイクルされます。

ステップ2:メイン処理ー中和・凝集

廃液のpH値を中性付近に調整する中和と、微細な不純物を凝集剤で大きな塊(フロック)にする凝集を行います。

これにより、有害物質の沈殿や分離が容易になります。

ステップ3:固液分離ー脱水処理

中和・凝集でできたフロック(固形物)から水分を絞り出し、体積を減らします。

これにより運搬・処分コストを削減し、脱水された汚泥はリサイクルされることもあります。

ステップ4:最終処理ー活性汚泥処理

残存する有機物を微生物の力で分解する生物処理です。

微生物が有機物を栄養源として消費し、廃水をさらに浄化します。

完全に浄化された水は、基準を満たしていることを確認の上、公共用水域へ安全に放流されます。

事業者が守るべき廃液の管理・処理の注意点

廃液を排出する事業者は、環境汚染を防ぎ、安全を確保するため、法令を遵守した適切な管理と処理を徹底する責任があります。

ここでは、特に重要な3つの注意点を確認しましょう。

注意点1:異なる種類の廃液を混ぜない

廃油リサイクルでは、異なる種類の廃油を混ぜる行為は厳禁です。

鉱物性油や動植物性油、廃溶剤など、性質の異なる油を混合すると、成分が複雑になり、適切な処理や再生が極めて困難になります。

場合によっては、予期せぬ化学反応が起き、発熱や有毒ガスの発生、爆発といった危険な状況を招く可能性もあります。

排出時には、油種ごとに厳密に分別し、内容物を明確に表示した専用容器で保管・回収を依頼することが不可欠です。

注意点2:廃油の保管は厳重に

廃油は、その性質上、漏洩や引火の危険性を常に伴います。

そのため、保管には細心の注意が必要です。

環境汚染や火災リスクを防ぐために、耐油性のある専用容器に密閉して保管し、直射日光や高温多湿の場所は避けましょう。

特に、特別管理産業廃棄物に該当する引火性の高い廃油は、消防法や廃棄物処理法に基づく厳格な管理が義務付けられています。

適切な管理体制を整えることが、安全確保とリスク低減に直結します。

注意点3:信頼できる業者に委託する

廃油のリサイクルや処理は、専門知識と設備が不可欠なため、必ず許可を持つ専門業者に委託しましょう。

特に、委託する内容に応じて、「産業廃棄物収集運搬業許可」や「産業廃棄物処分業許可」を適切に取得しているかを確認してください。

実績が豊富な業者を選ぶことはもちろん、工場見学に対応しているかどうかも重要な判断基準です。透明性のある業者なら、自社の管理体制や処理フローを実際に見てもらうことで、排出事業者が安心して任せられる環境を提供しています。

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