廃油の適正処理に「保管と運搬」が重要な理由とは

事業活動に伴って発生する「廃油」は、単なるごみではありません。

その適正処理を誤れば、環境汚染、火災、爆発といった重大な事故につながり、企業の社会的信用や事業継続性を脅かすリスクがあります。

実は、廃油の適正処理のために排出事業者ができることの9割は、「保管と運搬」の段階で決まると言っても過言ではありません。

いくら優れた処理技術を持つ業者に委託しても、この2つの工程が適切に行われなければ、事故や法令違反のリスクは決して消えないのです。

今回の記事では、廃油の保管と運搬に関わる主要な法律から、具体的な実践ポイント、そして排出事業者が負うべき責任までを、専門的かつわかりやすく解説します。

廃油の保管・運搬に関わる主な法律3選

廃油の管理には、複数の法律が深く関わってきます。

これを理解することが、事故や罰則を回避するための第一歩です。

法律1:廃棄物処理法(廃掃法)

廃棄物処理法は、廃油の保管・運搬における最も重要な法律です。

排出事業者は、廃油を保管する場所、容器、表示方法について詳細な基準を守る必要があります。

特に、引火性や毒性を持つ廃油は「特別管理産業廃棄物」に分類され、より厳しい基準が適用されます。

たとえ処理を専門業者に委託したとしても、廃油が最終処分されるまで、その責任は排出事業者に一貫してあることを忘れてはなりません。

法律2:消防法

引火点が低い廃油は、消防法で「危険物」に指定されます。

これを貯蔵・取り扱う際には、保管場所の構造や、消火設備の設置など、詳細な設備基準をクリアしなければなりません。

指定数量を超える廃油を貯蔵する場合は、消防法に基づく許可や届出が必要です。

法律3:その他関連法規

廃油管理は、他にも水質汚濁防止法(公共用水域への流出防止)、土壌汚染対策法(土壌汚染の調査・対策)、悪臭防止法(悪臭発生の防止)など、さまざまな法律と関連しています。

これらの法律を複合的に遵守することが、事業を守る上で不可欠です。

漏洩・火災を防ぐための廃油「保管」のポイント

廃油の保管は、単に一時的に置いておくだけではありません。

事故を未然に防ぐための具体的な対策が必要です。

ポイント1:保管場所と容器

保管場所は雨水の侵入を防ぐ屋根があり、直射日光が当たらない場所を選びましょう。

また、他の廃棄物と明確に区分けして保管することが重要です。

廃油は必ず、漏洩や腐食の恐れがない専用の密閉容器に保管します。

特に引火性廃油の場合は、静電気の帯電を防ぐ素材や耐久性の高いドラム缶などを使用し、消防法で定められた基準を満たす必要があります。

異なる種類の廃油を混合すると危険な化学反応が起きるため、絶対に避けてください。

ポイント2:表示と掲示

容器には、廃油の種類(例:廃エンジンオイル)、危険性、引火点、保管開始日などを明確に記載したラベルを貼り付けます。

保管場所には「産業廃棄物保管場所」の表示板を掲げ、保管物の種類や管理責任者の氏名、緊急時の連絡先などを明記しましょう。

ポイント3:安全対策

廃油の漏洩事故に備え、保管容器の総量以上の容量を持つ防油堤を設置する義務があります。

揮発性の高い廃油を保管する場所は、換気を十分に行い、可燃性ガスが滞留しないようにします。

また、保管場所とその周辺は火気厳禁とし、喫煙や火花を出す作業は絶対に行わないように徹底します。

消防法に基づき、保管量に応じた消化設備を常備し、従業員がその場所と使用方法を熟知していることが求められます。

排出事業者が知っておくべき廃油「運搬」の注意点

廃油の収集運搬を専門業者に委託する場合でも、排出事業者が厳格なルールに基づいて管理しなければなりません。

注意点1:運搬車両と方法

廃油の収集運搬を委託する場合、必ず「産業廃棄物収集運搬業許可」を持つ業者と契約し、許可車両を使用させることが義務です。

無許可車両での運搬は、排出事業者の責任が問われます。

運搬車両には、収集運搬業者の名称や許可番号、積載する産業廃棄物の種類などを法定の様式で表示する義務があります。

また、運搬中の漏洩事故を防ぐため、運搬車両の荷台に容器を確実に固定する措置を講じなければなりません。

具体的な運搬方法としては、廃油が少量の場合はドラム缶に、大量の場合はタンクローリー車が使われます。

排出事業者としては、運搬を委託する業者が、廃油の量や性状に適した車両を選定しているかどうかも確認しましょう。

注意点2:運搬中の安全管理

運搬中は、廃油が漏洩したり、飛散したりしないよう、密閉を徹底し、必要に応じて荷台をシートで覆うなどの対策が必要です。

引火性廃油は、消防法で定められた危険物の運搬基準に従わなければなりません。

これには、積載量の制限、適切な容器の使用、運搬経路の選定、消火器の常備などが含まれます。

また、廃油と他の産業廃棄物を同じ車両で運搬する際は、混合による危険性がないことを確認し、異なる容器で厳重に区分けしましょう。

注意点3:マニフェスト(管理票)の交付・携帯

廃油を業者に引き渡す際、排出事業者はマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付しなければなりません。

マニフェストは、廃油がどこで、どのように処理されたかを追跡する重要な書類です。

運搬業者は、このマニフェストを常に携帯する義務があります。

JWNET(電子マニフェスト)を利用すれば、管理の手間を減らし、コンプライアンス強化にも繋がります。

廃油処理を専門業者に委託する際の「排出事業者責任」とは

廃油の適正処理における排出事業者責任は、委託先の業者が不適切な処理をした場合でも免除されません。

そのため、排出事業者は以下の点を怠ると罰則リスクを負います。

まず、必要な許可を持たない無許可業者に委託した場合、廃棄物処理法違反となり、「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。

また、委託後も業者が適正に業務を行っているかを監督する義務があり、契約書やマニフェスト管理、定期的な現地監査などを通じて確認を怠らないことが重要です。

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